安全なメルマガ運用の心得「オプトイン」「オプトアウト」とは?

メルマガを運用する場合、読者からの登録解除は避けたいですが、もっと注意すべきは法令違反や読者からの迷惑メール報告です。

罰則が課せられたり、メール到達率にも影響してくるので知識として押さえておきましょう。

今回は、法令遵守しながら安全にメルマガ運用していくためのポイントを、事例を交えてお伝えします。

メルマガ運用者様には必見の内容ですので、最後までお読みいただければ幸いです。


菊地郁子菊地郁子

インタビュアーの菊地です。本日はよろしくお願いいたします。

福本昇太郎福本昇太郎

MML(メールマーケティング研究所)代表の福本です。よろしくお願いします。

特定電子メール法とは?

菊地郁子菊地郁子

早速ですが、そもそも「特定電子メール法」とはどんな法律なのでしょうか?

福本昇太郎福本昇太郎

特定電子メール法は、迷惑メールが社会問題化したことで作られた法律です。スパム業者が異常に増えてしまったことや、個人情報保護の観点から施行されたという背景があります。

菊地郁子菊地郁子

なるほど。「特定電子メール法」はどういったことが違反の対象になるのでしょうか?

福本昇太郎福本昇太郎

大きく分けて5つが違反の対象になります。

  1. 送信者情報を偽った送信
  2. 架空電子メールアドレス宛の送信
  3. 同意を得ていない相手への送信
  4. 受信を拒否した人に送信する
  5. 表示義務の違反

菊地郁子菊地郁子

5つ目の表示義務に該当するものは、どういったものでしょうか?

福本昇太郎福本昇太郎

表示義務に該当するものは、4つあります。こういった情報をメール文中にしっかりと入れておく必要があります。

  1. 配信者の氏名または名称
  2. 受信拒否の通知を受けるための連絡先やURL
  3. 配信者の住所
  4. 苦情や問い合わせ受付先

法令違反せずにメルマガを運用するポイント

菊地郁子菊地郁子

なるほど。他に「特定電子メール法」に違反しないために気をつけるポイントはありますか?



福本昇太郎福本昇太郎

はい。まず、リスト獲得時に誰が見ても明確な同意を得ることが大事ですね。広告宣伝メールが送られてくることに対して事前の承諾をしっかり得るということです。これには、配信先のリストを業者から買わないことも当然含まれます。


福本昇太郎福本昇太郎

あとはリスト管理の問題にもなりますが、一旦解除されたメールアドレスに対して特定電子メールを送らないことですね。


福本昇太郎福本昇太郎

もう1つ挙げるとしたら、定期配信することが大切になります。なぜならば、同意を得て獲得したメールアドレスだったとしても、配信間隔が空きすぎてしまうと「あれ?この人誰だったっけ?」ということが起きたりするからです。忘れられないように一定期間メールを送り続けることが大事になってきます。

菊地郁子菊地郁子

まずは、事前承諾をしっかり取ることが大事なんですね。
私も全く知らない方から、突然メールが届いて驚いたことがあります。なぜこういったことが起こるのでしょうか?

福本昇太郎福本昇太郎

ありますよね。
一時問題になったのが、読者はAというメルマガに登録したつもりなのに、同時にBCなど色々なところに協賛登録という形で読者登録されてしまうというものです。例えば、無料レポートスタンド(PDFレポートと引き換えにメルマガに登録されるもの)などで、1つではなく複数のメルマガに同時登録されるという事例があります。これは一見同意を取っているようですが、読者目線に立ってみるとトラブルに繋がりかねません。あまりそういったことはやらない方が良いですね。

読者との信頼関係にも繋がるオプトインとは?

菊地郁子菊地郁子

読者としては認識していない登録先からメールが届くので、驚きますし不信感に繋がりかねませんよね。「同意」というお話が出ましたので、オプトインについて詳しく教えていただけますか?

福本昇太郎福本昇太郎

オプトインとは、広告宣伝メールの送信に対して事前の承諾を得るということです。
つまり、購読許可していない人に特定電子メールを送ってはいけないということですね。
実は、以前は許可を得ずに特定電子メールを送っても大丈夫でした。
「不要だったら解除してね!」で通用したということですね。
現在はルールが変わりまして、予め同意を得ていない場合は特定電子メールを送ることは一切禁止されています。この辺りも、迷惑メール業者が無茶をし過ぎて整備されていった経緯があります。

菊地郁子菊地郁子

なるほど。時代背景とともに法令も変わるので、常にチェックしておいた方が良さそうですね。
メール配信が開始されてから気をつけるポイントはありますか?

福本昇太郎福本昇太郎

最初の一文で「同意を得ています」というのを書いておくことをオススメします。
例えば、配信間隔が空いてしまったり、関係性が弱いという場合(実際に対面でお会いしているわけではなく、ネット上だけの繋がりなど)は特に、「どういった経緯で配信しているのか?」を冒頭に書いていただくと誤解が防げます。ちゃんと名乗っていても「誰だっけ?」と思われることが起こり得ますので。

読者を不快にさせないオプトアウトのポイント

菊地郁子菊地郁子

配信の経緯が示されていると、読者は安心感が得られますね。
ちなみに、オプトアウト(配信解除)で気をつけるポイントはありますか?

福本昇太郎福本昇太郎

ポイントは2つあります。
1つ目は配信解除の方法をわかりやすく明確にしておくことです。
メール文中に書くことはもちろんですが、解除方法もシンプルにすることがポイントです。
過去に実際あった事例で、配信解除のためにURLをクリックさせ、長文のメッセージが表示されて「思いとどまるなら今ですよ」「勿体無いですよ」「本当に解除するんですか?」など、見苦しく読者を引き留めようとする方がいました。
「なるべく読者を減らしたくない」という気持ちの現れだと思いますが、完全に逆効果なのでやめた方が良いです。配信解除がわかりにくいと読者の心象ってどうですかね?菊地さんだったらどう感じますか?

菊地郁子菊地郁子

嫌な気分になりますし、不親切だと思います。

福本昇太郎福本昇太郎

そうですよね。あまり良い気がしないですよね。
そうなると、自分で登録して読み始めたメルマガなのに、GmailやYahoo!メールに迷惑メール報告を出したりするんです。
配信者側からすると迷惑メール報告を出されることは一番避けなければいけないことなんです。なので、配信解除の方法を明確に示すということは徹底すべきと考えます。

菊地郁子菊地郁子

迷惑メール報告をされると、そのメールアドレス自体が迷惑メールとして判断されやすくなるということでしょうか?

福本昇太郎福本昇太郎

そうですね。迷惑メール報告の多い送信元は、プロバイダ側にマークされやすくなり、実際にメールが届きずらくなると考えられます。

菊地郁子菊地郁子

それは避けたいですね。では、オプトアウトで気をつけるべき2つ目のポイントは何でしょうか?

福本昇太郎福本昇太郎

2つ目のポイントは、解除後は、特定電子メールは送らないことです。
特に手元に一度読者リストをダウンロードして保存している方が、リストの更新を忘れて悪気なく特定電子メールを送ってしまうケースが多いので、徹底する必要があります。

菊地郁子菊地郁子

配信者側としては、なるべく解除されたくない気持ちがありますが、解除はわかりやすくした上で、解除後は送らないことが大切なのですね。

福本昇太郎福本昇太郎

はい。大きな会社さんでよく見受けられるのですが、解除する時にシステムにログインが必要なケースがあります。
つまり、ワンクリックで解除できず、配信解除したかったら一旦ログインして、そこで停止というアクションをしないとメールが止まらないシステムです。
このように解除方法が面倒だったり、分かりずらかったりすると、迷惑メール報告を出されてしまうリスクが高まるのでオススメ出来ません。
私もこれまで色々な方にお会いしてきたのですが、実際にある女性は「このメールはもう読まない」と思ったら、メール文中から解除するのではなく、迷惑報告して解除の代わりにしているとおっしゃていました。配信者としては、そのようなアクションを起こされないように注意が必要です。

安全なメルマガ運用のために

菊地郁子菊地郁子

迷惑報告は一番避けたいですね。
ここまで、特定電子メール法やオプトイン、オプトアウトで気をつけるべきポイントを教えていただきましたが、安全なメルマガ運用をしていくために一番大切なことは何でしょうか?

福本昇太郎福本昇太郎

読者の立場に立つことが大事です。
パソコンと向かい合っているとつい忘れがちですが「画面の向こう側には人がいる」ということは常に認識しておく必要がありますね。
あとは、自分が受け取った時に嫌な気持ちになる配信はしないことです。これは、今回のオプトイン、オプトアウトにかかわらず、メールの文章についても気をつけて配信される必要があるかと思います。

菊地郁子菊地郁子

参考になるお話をありがとうございました。