振り返る女性

今回は、メルマガに名前を挿入する機能について書きます。

事前に読者情報を収集していることが前提ですが…

メルマガ配信スタンドが指定する記号(例:###name###など)をメール件名(タイトル)や本文に挿入することで、読者一人一人に対して、パーソナライズド(個別最適化)された内容を届けることが可能です。

これによって、いわゆる「私信」を演出することにつながるため、メールの開封率アップや、精読率アップにつながるという考え方があります。実際どうなのでしょうか?

記事にまとめてみましたので、ぜひご参考ください。

名前挿入は何のために?

あなたはメルマガ配信システムを利用されているでしょうか?

あるいは、これからメルマガを始めようとされている方でしょうか?

名前の挿入機能を使うべきかどうか検討されているのかもしれませんが、そもそもメルマガに名前を入れるのは、何のためでしょうか?

メールの開封率、精読率を上げたいというのが理由のはずです。

単にメールが受信ボックスに届くだけでは何の成果にもつながらないですよね?

届いたメールは開封されて、読まれるからこそ、初めて集客成果に貢献します。

メルマガの開封率、精読率アップに効果的?

では実際に、名前の挿入はメール開封率や精読率アップに有効なのでしょうか?

一切の前提と状況を無視するのであれば、基本的には効果が見込めるものと考えます。

なぜなら、「カクテルパーティー効果」が働くことが想定されるからです。

例えば、パーティー会場などの騒がしい場所で、自分に関係する言葉だったり、気になる人の会話、興味に関連した単語だけが耳に飛び込んでくるという経験をされたことはないでしょうか?

これを、カクテルパーティー効果と言います。

カクテルパーティー効果は、1953年にイギリスの心理学者コリン・チェリー(Edward Colin Cherry)氏によって提唱された心理現象です。

コリン・チェリー氏は「カクテルパーティー効果」について、以下のような実験を行いました。

  1. 被験者の左右の耳に異なる音声刺激を同時に聞かせる。
  2. 一方の耳にだけ注意を傾けてもらう。

結果、指定した方の音声は良く聞き取り、内容も理解していました。

しかし、もう一方の音声は、ほとんど記憶されていなかったのです。

この実験により「人間は注意を向けた情報を優先して拾い、注意を向けなかった情報は排除してしまうこと」が判明しました。

更に実験は続きます。

今度は注意を傾けるように言われた方とは反対側の耳に、「被験者の名前」を入れた上で二つの話しを流しました。結果、被験者は自分の名前が聞こえてきた方の内容をよく理解し、反対側(集中して聞くように言われていた方)から流れていた内容は、あまり記憶していませんでした。

この実験結果から、人間は自分にとって優先度の高い情報を優先的に収集することが分かります。

大事なのは前提と状況

ここで重要なのは、前項でお伝えした「前提」と「状況」です。

名前の挿入が開封率アップ、あるいは精読率アップに有効かどうかは、前提条件や外部環境によって変わります。例えば、こちら↓はGmailアカウントの受信ボックスです。

Gmailの受信ボックス

これは、執筆時点での私のメールボックスをスクショしたものですが、もし仮にすべてのメール件名がパーソナライズドされていたらどうでしょうか?

言うまでもなく、みんなが同じことをやっている中で、他の人と同じことをしても効果は見込めません。

「またこのパターンか…」

と、スルーされるだけです。

つまりここで言いたいのは、競合他社や、他のメルマガ発行者が何をやっているのかによって、私たちがやるべきことは変わるという話です。

名前の挿入機能が世に出たばかりの頃は、おそらく物珍しさも手伝って、メール開封率アップ、精読率アップに効果があったでしょう。

ただ現在はどうでしょうか?

もちろん誰をターゲットとするか?によっても判断が分かれるところではありますが、本当に個別配信をしていると思っている読者は、かなり少ないように感じます。(私の周囲はメルマガ発行者が多いので、偏っている可能性はありますが)

そんな中、あたかも私信のようなメールを送ることで、どれだけの反応が見込めるか?という話です。

名前の挿入機能を使う際の注意点

繰り返しになりますが、大事なのは前提と状況です。

競合他社や、他のメルマガ発行者が、名前の挿入機能を使わなくなったら、再びパーソナライズドされたメール配信が注目されるようになるかもしれません。

また、関連して「メリハリ」も重要です。普段、名前の挿入機能を使わないメルマガ発行者から突然「○○さん」と、メールが届いたら新鮮味がありますよね。

ただ、実際に名前の挿入機能を使う場合は注意が必要です。

こちらの画像をご覧ください↓

パーソナライズでミスをしている事例

これも私が使っているGmailの受信ボックスに届いたメッセージの一部をスクショしたものですが、差出人の箇所に「###tkna001###様」という記号が入っています。(差出人が分からないように一部加工しています)

恐らく「###kana001###様」と書きたかったのだと思いますが、差込文字の記号を間違えてしまうと、上記画像のようなメールが読者に届くことになります。

受け取ってあまり気持ちの良いものではないので、名前の挿入機能を使う際は、事前に受信テストを行うことを推奨します。

配信ジャンルによっては登録率の低下につながることも…

名前の挿入機能を使うには前提として、オプトイン(読者登録)の際、読者自身に名前を入力してもらう必要があります。

「誰が読んでくれているのか知りたい」と思うのは、メルマガ発行者としての自然な感情ですが…

業界・業種によっては名前の入力を促すことで登録率を下げてしまうケースもありますので、注意が必要です。

例えば「恋愛」「結婚」などに関する情報は、あまり人に知られたくない情報ですよね。

このような場合は、メールアドレスのみを入力してもらう形にするか、どうしてもパーソナライズドされたメールを送りたい場合は、「名前」「氏名」などの入力欄付近に「ニックネームでも可」と書いておくことを推奨します。

まとめ

今回は、メルマガでのパーソナライズド配信について書きました。

もう一度重要なポイントをお伝えすると…

  • 大事なのは前提と状況。そして「メリハリ」
  • 名前の挿入機能を使う場合は、事前のテスト受信が必須
  • ジャンルによっては登録率の低下につながる可能性がある

ということです。

参考になれば幸いです。