今回は「メール到達率に悪影響を与える文章とは?」というテーマでお届けします。
- 一生懸命書いたメルマガが、なぜか迷惑メールに振り分けられてしまう…
- 読者から「メールが届かない」と言われた…
など、メールの受信サーバーから迷惑判定を受けないための文章術についてまとめました。
ぜひご参考下さい。
この記事に書かれていること
・迷惑メールフォルダに振り分けられやすい文章とは?
・メール本文の中で一番到達率に影響を与えるのは「○○○」
・HTMLメールは迷惑メール判定されやすい?
福本:こんにちは。MML(メールマーケティング研究所)代表の福本です。
このサイトではメールマーケティングについての様々な知見を深めてもらう事をテーマにお届けしていきます。今回も、メール配信システムに精通している佐藤さんをお招きして、色々お話を伺っていきたいと思います。
佐藤さん今日も宜しくお願いします。
佐藤:宜しくお願いします。
福本:早速本題に入ります。以前、メール到達率を高めるには無料のメールアドレスやプロバイダのメールアドレスではなく「独自ドメインのメールアドレス」を使用すべきというお話がありました。
ただ実際にはドメインだけでなく「メールの文章」もメールの到達率に大きく影響すると聞きます。
今回はこの辺りについて、色々お話伺えますでしょうか?
佐藤:メール本文がメール到達率に与える影響ですが、実際に下記のようなケースがあります。
- 独自ドメインのメールアドレスで配信しているのに、なぜか迷惑メールボックスに入ってしまう
- しばらくは順調に届いていたのに、ある時を境に急に迷惑メールボックスに入ってしまう
- 特定のメールだけ迷惑メールボックスに振り分けられてしまう
等です。
なぜそういう事が起こってしまうのか?と考えた時に「メール本文」が影響を与えているケースが多く見受けられます。これは、メールの受信サーバー側で「迷惑メールの傾向を学習している為」です。
福本:学習している?
迷惑フォルダに振り分けられやすいメールの共通点とは?
佐藤:例えばGmailで言うと「最近こういうスパム(迷惑メール)が多い」という風にGmailが学習します。そうすると、それに似通ったメールも巻き添えを食ってしまうという現象が起きます。
人の目でチェックしている訳ではなくて、プログラムで「自動検知」しているので、少し似ているという事で誤検知をされて巻き添えを食うという現象はよく起こります。なので「迷惑メールに似ていない」という事が重要になってきます。
福本:なるほど。
佐藤:では具体的にどういったものが「迷惑メールに似ているのか?」と言うと、ざっくりとした基準ですが…
- 性的な単語を含んだメール
- フィッシング詐欺等によく使われる単語や文章
など。
これらに該当しないかどうかは注意が必要です。
あとはアフィリエイターの方がよく使う「稼げる」「儲かる」など、このような単語も、時期によっては迷惑メール判定を受けてしまう事があります。
福本:時期も関係するんですね。
佐藤:はい。「稼げる」「儲かる」という単語を含んだメールが迷惑メールの傾向として多いという時に、これらの単語を含んだメールが巻き添えを食うというケースはあります。
これは恒久的な処置ではなくて、その時々の傾向によって異なりますので、ある時期に問題無かったものが、今は問題視されて迷惑メールフォルダに振り分けられるという事が起きます。
具体的なサービス名称は控えますが、一時期某ブログサービスの名称が入っているだけで、迷惑メールボックスに入ってしまうという事もありました。
なので、100%回避するという事は難しいと思いますが、なるべく言い回しを変えて、「迷惑メールに似ていないメールを作成する」という意識が大事です。
福本:なるほど。
短縮URLを使用する場合は独自ドメインで
佐藤:また、本文の中で一番影響を与えやすいと言われているのが「URL」です。
メール文中に記載されている「URL」が、一番迷惑メールの判定を受けやすい傾向にあります。
例えば「短縮URLの使用」というのが1つ挙げられます。
短縮URLはURLを短くすることが出来て、一部サービスではクリック計測機能が付いていたり等、非常に便利なので使用されている方も多いのではないでしょうか。
注意したいのは、同じ短縮URLを不特定多数の方が共有して使用しているという事です。
自社とは全く無関係な第三者が、同じ短縮URLを使用して迷惑メールまがいな配信をしたとします。
結果その配信者は、迷惑メールを実際に配信しているという事実に基づいて、迷惑メール判定を受ける事になるのですが、同じURLを記載しているという事で、全く関係のない自社も巻き添えを食ってしまうという現象が起きます。
先程の単語と同じ例ですが、URLの方がもう少し顕著にこの現象が起きます。
福本:なるほど。
佐藤:なので「短縮URL」や、また「迷惑メールに入らないために」といった方法をまとめているサイトのURL等、このような「アフィリエイターが多く記載しているであろうURL」や「メール配信スタンドで多数のユーザーに使用されているであろうURL」等、こういった不特定多数の人と共有してるドメインのURLを使用する際は注意が必要です。
福本:もし短縮URLを使いたい場合は「独自ドメイン」で、という事でしょうか?
佐藤:はい。独自ドメインを使う事が出来る短縮URLサービスはかなり有効だと考えます。
飾り罫線やHTMLメールによる影響は?
福本:あと他に本文で気を付けておくべき事はありますか?
佐藤:そうですね。これも傾向なんですけれども、よくメールを綺麗に見せる目的で「飾り罫線」を使用される方がいます。
フッターに会社名や連絡先を載せるのが通常なのですが、このフッター部分を囲うために、簡単なハイフンやイコール記号を繋げて罫線にしている場合は大して問題ありません。ただ、
あるいは見出しを囲うために使う方もいますが、このような「飾り罫線」を使うだけで迷惑メール判定を受けやすくなる傾向があります。
福本:なるほど。
佐藤:大手企業でこのような派手な装飾をするケースはあまり見受けられません。むしろ個人でやっている方が、このような「飾り罫線」を使う傾向にあるので、シンプルな罫線を推奨します。
福本:いかにも迷惑メールにありがちですからね。
佐藤:そうですね。
福本:あと私も実際によく頂く質問として「テキストメールとHTMLメールを比較した場合に、HTMLメールの方が迷惑メール判定されやすいのではないか?」という心配される方がいらっしゃるのですが、これについてはいかがでしょうか?
佐藤:「HTMLメールを使ったからメールの到達率が悪くなる」という事は基本的にありません。
ただ、HTMLの構文が間違っているとか、明らかにHTMLの構造がおかしいなどの場合には、マイナス評価を受ける可能性が高まります。
HTMLメールの作成の仕方がそもそも間違っている事が、メールの到達率を悪くする原因なのではないかと考えます。
また、一時期はHTMLメールに対応していない端末が多かったので、それを回避する為にテキストメールを使う事が望ましかったのですが、今現在でHTMLメールに対応していない端末はほとんど無いと思います。
従って、そこまでHTMLメールの使用に対して臆病になる必要はありません。
福本:アパレル業界や飲食業界など、商品ジャンルによってはビジュアルで訴求した方が効果的です。構文がしっかりしていれば、HTMLメールの利用を怖がらなくても大丈夫!という事なんですね。
佐藤:そうですね。自信がない方は、HTML専用のテンプレートを使う等が望ましいと思います。
福本:よく分かりました。今回もありがとうございました。
佐藤:ありがとうございました。